「日付変更禁止時間帯」を聞いたことはありますか?ロレックスのデイト機能が搭載された腕時計でも日付変更をしてはいけない時間帯があり、所有するなら知っておきたいことの一つです。
機械式時計を持っているけど禁止時間帯については知らなかった方や、機械式時計の購入を検討している方に向けて、正しい日付変更方法や、もし禁止時間帯に変更してしまったときの対処法、日付変更が必要のないモデルについても紹介します。
ロレックスの腕時計で日付を変更する方法
数日使わなかった機械式時計は止まってしまうため、再度使用するときは時間を合わせる必要があります。
その際に気を付けてほしいことは、正しい手順でやらなかった場合、故障の原因になる恐れがあるということです。正しい手順は以下の通りです。
①リューズ(竜頭、クラウン)を手前に回します。
時計が完全に止まっているのであれば30回は巻き上げてください。
②リューズは2段階引くことができます。
1段階目は日付変更、2段階目は時間変更です。
まずは、2段階引いて時間を変更します。
ここでは「6時などの4時以降の時間」に一度変更してください。
③リューズを1段階戻し、1段階目にして日付を変更します。
今日ではなく、昨日に変更します。
(例:今日が10日であれば、ここでは9日にする)
④リューズを1段階引き、2段階目にして時間を変更します。
日付が今日になるまでリューズを回し、今の時間に合わせます。
ここでは午前と午後で間違えないよう注意してください。
日付が変わったタイミングが午前です。
午後の時間帯であればさらに1周が必要です。
⑤日付、時間ともに変更が完了したことを確認したら、リューズをねじ込みしっかりと閉めます。
機械式の腕時計の日付変更禁止時間はいつ?
カレンダー表示を搭載している機械式時計は、日付変更のため早送りが可能です。
しかし「日付変更禁止時間」という、日付を早送りしてはいけない時間帯には注意が必要です。
モデルやメーカーにより違うこともありますが、多くは「夜の8時~翌朝の朝4時」の8時間が日付変更禁止時間になっています。
3時の位置にある小窓に日付が表示される、ロレックスの「デイトジャスト」も「夜の8時~翌朝の朝4時」が日付変更禁止時間です。
日付を変更してはいけない禁止時間帯がある理由
端的に言うと、禁止時間帯にリューズで日付変更すると、中で動いている部品同士が絡み合い破損する可能性があるからです。
ここでいう部品とは「カレンダープレート」「日送り車に付いた日送り爪」「早送り車」の3つです。
まず、カレンダープレートを日付通り動かすため、日送り車は24時間かけて1周します。
「カレンダープレート内周に等間隔に並んだ突起」に「日送り車に付いた日送り爪」が引っかかることで、カレンダープレートが1メモリ進んで日付が変わります。
そして、日送り車が1周する中のある特定の時間帯、「カレンダープレートの突起」と「日送り車に付いた日送り爪」が近づいてかみ合う時間帯こそが「日付変更禁止時間帯」です。
リューズで日付変更するときは、「早送り車」がカレンダープレートを動かします。
カレンダープレートの突起と日送り爪の距離が近いときに、リューズを使い早送り車でカレンダープレートを動かすと、部品同士が絡み合ってしまうのです。
そうしたことを防ぐために「日付変更禁止時間帯」があります。
日付変更禁止時間帯に日付を動かすとどうなるの?
日付変更禁止時間帯に日付を変更し、部品同士が絡み合ってしまい負荷がかかった場合、部品が破損することがあります。
部品が破損するとカレンダーが動かなかったり、リューズを動かしても引っかかったりしてうまく動かせないなどの不具合に繋がります。
そして不具合が出た場合はオーバーホールが必要です。
オーバーホールとは腕時計のすべての部品を分解して修理することです。
通常の修理やメンテナンスと違い、オーバーホールは時計にとって大きい修理です。費用も時間もかかります。
ロレックスなど、メーカーの保証期間内であっても、日付変更禁止時間帯に日付変更したというのは誤った使用法にということになり、保証対象にならず有料の修理になります。
禁止時間帯に日付を変更してしまった場合はどうしたらいい?
まず、時計が問題なく動いているか確認します。確認方法は「自然運針の動きを見て確認」「リューズを動かして確認」の大きく2つです。
自然運針の動き(リューズを動かさない)で確認するポイントは、日付が変わる時間帯~日付が変わり切る時間帯に、誤操作前と大きなズレはないか(0時に切り替わっていたのに3時頃切り替わるなど)。
日付が変わるとき、中途半端な位置で停止しないか、または中途半端な位置で停止したままにならないか。
時計が止まっていないのに日付が変わらない、もしくは日付がズレていないかです。
リューズを動かして確認するときのポイントは、リューズで日付変更を試してみて日付が切り替わるかどうか、リューズを回したときに違和感はないかです。
上記の方法で確認し、もし問題があった場合は部品が破損している可能性が高いです。そのまま使い続けると他の部品に影響する可能性があります。
長く使い続けるためには修理が必要になるでしょう。
ロレックスで日付変更禁止時間帯がないモデルは?
技術の進歩で、日付変更禁止時間帯がないモデルも増えてきました。
ここではロレックスを中心に、日付変更禁止時間帯がないモデルを紹介します。
新型ムーブメントを搭載したモデル
クロナジーエスケープメントと呼ばれる脱進期を搭載したムーブメントである「Cal.3235」と、変形や気温変化に強いムーブメント「Cal.2236」は日付変更禁止時間帯がありません。
型番がRef.126~、Ref.279~のモデルであれば上記ムーブメントが搭載されています。
「Cal.3235」搭載モデルは、デイトジャストやスポーツ系モデルに搭載されています。
デイトジャストでは「デイトジャスト41 Ref.126300」や「デイトジャスト36 Ref.126233」などがあります。
スポーツ系モデルでは、スチール&プラチナが涼し気な「ヨットマスター40 Ref.126622」、ブラックダイヤルがクールな「ヨットマスター40 Ref.126655」、深海遠征のためのモデル「シードゥエラー Ref.126600」などがあります。
「Cal.2236」搭載モデルはレディ デイトジャストが代表的です。
クラシックで女性らしく、ジュエリーのような華やかさのあるデザインが特徴的。
「レディ デイトジャスト Ref.279160」、「レディ デイトジャスト Ref.279174」などがあります。
短針が単独で動くモデル
短針が単独で動くモデルも日付変更禁止時間帯がありません。
日付調整を行う場合は短針を24時間分回転させます。
主に2か国語以上の時間帯を表示させるときに活用されている機能です。
時差がある国でも時間を合わせやすく、ロレックスでは世界を股にかけて活動する人や冒険家向けのモデルである「GMTマスターⅡ」「エクスプローラーⅡ」に搭載されています。
ブライトリングムーブメントを搭載したモデル
ロレックス以外にも、日付変更禁止時間帯がないモデルがあるブランドはあります。
なかでも、ブライトリング(BREITLING)の「Cal.B01」は日付変更禁止時間帯を無くした初のムーブメントとして有名です。
「Cal.B01」はブライトリング初の完全自社開発ムーブメントです。
70時間パワーリザーブ、コラムホイールの採用、日付調整も常時可能、そして高い防水性。
このように使いやすいモデルですが、価格もリーズナブルです。
「アベンジャー B01 クロノグラフ 45」や、「クロノマット B01 42」など、B01が付くモデルに搭載されています。
ロレックスには年次カレンダー機能搭載モデルもある!
年次カレンダー機能とは、30日と31日の月を自動で区別する機能です。
通常、カレンダー機能は30日と31日の区別なく日付を表示するため、30日の月では手作業で1日分変更する必要があります。
しかし、年次カレンダー機能がついていれば、30日と31日の月を区別してくれるため変更する必要はありません。
ただ、2月(28日、29日)は対応していないため、2月だけ調整が必要です。
ロレックスにも年次カレンダー機能が搭載されたモデルがあります。
それは「スカイドゥエラー」です。
日付、時間、そして現在の「月」も表示します。
ダイアル外周に12個の小窓があり、赤くなった小窓の場所で現在の月を表すという、ユニークでわかりやすい表示方法です。
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ロレックスなど機械式の腕時計は、日付変更禁止時間帯に日付を動かすと故障する可能性があることなどを紹介しました。
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