愛用してきたiPhoneにはいろいろな個人情報が入っています。
ですから、買取を依頼したくても、それらが漏洩するような危険性を気にする場合もあるでしょう。
しかし、リスクに関する正しい知識を身につけ、適切な準備を心がけておけば大丈夫です。
この記事では、iPhoneを買取に出す際のリスクや対処法について詳しく解説していきます。
まずはリスクを認識しておこう!
売却したiPhoneに個人情報が残っていると、そのデータを悪用されるリスクはゼロではありません。
たとえば、悪質な買取店がほかの業者に教えるケースや、悪意がなくても誤って流出させるようなケースが考えられます。
また、そのまま中古品として購入された場合、次の持ち主によっては不正に利用されるおそれもあるのです。
これらはあくまでも可能性にすぎず、健全な買取店を選択すれば基本的に問題はありません。
とはいえ、リスクを下げるために、自衛のための対処をしっかり行っておくことが望ましいです。
売却前に個人情報の消去が不可欠
個人情報に該当するデータとして代表的なのは、自分の電話番号やメールアドレスも含めて、多くの連絡先が載っているアドレス帳の中身です。
メールやSMS、MMSで送受信した履歴も重要ですし、LINEやFacebookといったSNSの登録内容も悪用される危険性があります。
そのほかに、写真やメモ帳からも個人情報の取得が可能であるなど、消去すべきデータの種類は多岐にわたっているのが実情です。
本体から一つひとつ消していくという方法もありますが、非効率ですし消去が難しいデータもあるため、工場出荷時の状態に戻すための初期化を目指すことになります。
データを消去する前にバックアップを!
データを消す前にバックアップをすることが重要です。
初期化を終わらせてしまうと、もし後からデータが必要になっても復元できません。
そう言われても、そもそもデータの消去が目的なので、バックアップをしなくても構わないと感じる人もいるでしょう。
しかし、初期化までの過程で失敗してしまい、いったん復元しなければならないケースなどもあるのです。
バックアップはiPhone単体でもiCloudで簡単に行えますが、パソコンに接続してiTunesを使ったほうが多様な項目のデータを保存できます。
iCloudからのサインアウトが重要
iPhoneでAppleが提供するサービスを利用している場合、基本的にはiCloudにサインインしている状態になっています。
そのまま初期化すると、iPhoneとiCloudの接続が維持されてしまうケースがあり、iCloudに保管しているデータを覗かれるようなリスクが残りやすいです。
したがって、ネットワークにつながっている環境で、設定アプリを用いて必ずサインアウトを実行しておきましょう。
また「iPhoneを探す」という機能をオフにする必要もありますが、基本的にはiCloudからサインアウトすると自動的にオフなります。
iTunes StoreとApp Storeのサインアウトも!
iCloudだけでなく、iTunes StoreとApp Storeにも警戒が必要です。
設定アプリの中に「iTunes StoreとApp Store」という項目があるので、そちらでサインアウトをしてください。
「Apple ID」をタップしたときに表示されるメニューから実行が可能になっています。
サインインをしたままだと両者との接続が維持されて、以降の流れや売却後に支障が出かねないので要注意です。
クレジットカードの情報を登録している人は特に気を使わなければなりません。
サインアウトをしたら念のためにそれぞれのアプリを起動して、自分のApple IDが表示されないことを確かめておきましょう。
周辺機器との連携も切っておこう
iPhone本体だけでなく、周辺機器とのペアリングも考慮しなければなりません。
連携した状態で売却すると、周辺機器にアクセスされてしまう危険性もあるからです。
特に注意が必要な周辺機器として、高性能な情報端末であるApple Watchが挙げられます。
iPhoneのWatchアプリを起動して「Apple Watchとのペアリングを解除」を選択して連携を切っておきましょう。
なお、個人情報を見られるリスクは小さいですが、キーボードやイヤホンなどの周辺機器に関してもペアリングを解除しておいたほうが安全です。
初期化をしてデータ消去!
ここまでの準備を済ませたら、次はいよいよiPhoneを初期化するステップです。
まず、設定アプリを開いて「一般」と書かれたタブを選びましょう。
次の画面の下部にある「リセット」をタップすると、何をリセットするのか選択するためのメニューが表示されます。
そこで「すべてのコンテンツと設定を消去」を選べば、パスコードを求められるので、正しく入力しなければなりません。
成功すると「iPhoneを消去」と表示され、それをタップすることで初期化の処理がスタートします。
なお、途中でバッテリーが切れると致命的なエラーが起こる場合もあるため、充電器につないだ状態で実施したほうが良いでしょう。
データを消した後の処置は?
しばらく待って、画面にあいさつの文言が表示されたら初期化の完了です。
これで工場出荷時の状態に戻っており、漏洩するような個人情報は基本的に残っていません。
ただし、このままでは使用できないため、買取を依頼するなら引き続き処置が必要です。
初期化した後にSIMカードを挿して、アクティベーションを忘れずに実施しておきましょう。
これはiPhoneを利用できる状態にするための初期設定であり、具体的には言語やネットワークの設定などを行います。
最後に電話番号を消しておこう
最後に大きな落とし穴があるので気をつけましょう。
せっかく初期化によってデータを消去しても、アクティベーションの実施により、iPhoneに自分の電話番号が登録されてしまいます。
ですから、最後に電話番号を消すことも忘れてはいけません。
設定アプリを起動して「一般」のタブをタップしてください。
表示される一覧の下部にある「リセット」を選択し、続けて「ネットワーク設定のリセット」をタップすることで消去が可能です。
買取店をチェックして安全性を確認
買取店の情報をしっかり確認することも自衛の手段になります。
たとえば、店舗のホームページにデータ消去に関する事柄が記載されているケースも少なくありません。
顧客側で実施できる作業方法や、店舗側で行っている処置についての説明が詳しく書かれていれば、データの取り扱いに関する意識が高いと判断できます。
個人情報漏洩が起こるリスクの大小を推察するうえで参考になるでしょう。もちろん、電話やメールで問い合わせて安全性について質問してみることも有効です。
適切な対処により安心して買取を依頼しよう
普段の生活やビジネスにおいて、iPhoneは多くのことをサポートしてくれる便利なアイテムです。
それらを可能にするために、持ち主のデータをいろいろと本体に保有しています。
そのため、個人情報漏洩を心配する人もいますが、あらかじめ注意することでリスクの削減が可能です。
正しい知識を身につけて、予防のための対処を実践できるようになりましょう。