ロレックスは耐久性が高いことでも知られる腕時計ですが、普段使いしていればどうしても小さなキズはついてしまうものです。
高く売るために、キズを研磨して綺麗にしておくべきか悩んでいるオーナーさんも多いでしょう。
そこで今回は、ロレックスの研磨方法や注意点、買取査定に出す前の研磨の必要性、キズが気になるロレックスを売却する際のポイントなどについて解説するので、気になる人は参考にしてください。
腕時計の研磨とは?
腕時計は使用中にどこかにぶつけるなどして、ベルトやケースにキズがついてしまうことがよくあります。
また、腕に直接つけて使うため、手汗などが付着しくすみや汚れが目立つことも多いです。
そういったキズや汚れを落とすために行われるのが研磨です。
腕時計を研磨する時は、バフという専用のマシンが使われます。
バフで腕時計の外装の表面を薄く削ることで、キズや錆を落とすことができます。
磨き方は、ポリッシュ仕上げとヘアライン仕上げの2種類あります。
ポリッシュ仕上げは外装研磨とも呼ばれるもので、腕時計のケースやブレスを磨いてキズなどを綺麗にしていきます。
ヘアライン仕上げは単一方向へ研磨し、髪の毛程度の細く長い節目をつける研磨方法です。
表面の光沢をなくし、つや消しを行う際によく用いられます。
腕時計の外装を研磨すればツヤのある美しい見た目になるため、キズが目立たなくなりまるで新品のような状態に戻すことができます。
ただし、バフで研磨できるのはゴールドやステンレスの素材に限られます。
ゴールドやステンレスは、削ってもそれほど問題がないためです。
メッキ加工がされているものや、プラスチック素材のものは研磨することができません。
ロレックスを研磨する方法
キズや錆がついてしまったロレックスは、研磨することで美しい見た目に戻すことができます。
ここからは、ロレックスを研磨する方法について詳しく解説していきます。
日本ロレックスに依頼する
日本ロレックスは日本にあるロレックスの代理店で、スイスにあるロレックス本店と日本の正規販売店の仲介を行っています。
日本にある正規販売店にロレックスを卸すだけではなく、メンテナンスも担当しているため、日本ロレックスに依頼することでキズがついてしまったロレックスを研磨してもらえます。
サービスセンターが日本各地にあり、連絡したうえで持ち込めば研磨を依頼できます。
近くにサービスセンターがない場合は、郵送で依頼することも可能です。
ロレックスを購入した正規販売店を経由して依頼することもできますが、手数料を取られる場合があるので注意してください。
研磨だけを依頼することも可能ですが、オーバーホールを検討しているのであればまとめて依頼したほうがお得です。
オーバーホールの料金には、研磨費用も含まれているためです。
ロレックスは定期的にオーバーホールを行うことで、よい状態を保つことができるため、オーバーホールの時に研磨してもらうことも検討したほうがよいでしょう。
日本ロレックスは正規メーカーということで安心して任せることができますが、一般の修理業者に依頼するよりも費用は割高になってしまいます。
民間の腕時計修理業者へ依頼する
ロレックスのメンテナンスは、日本ロレックスのような正規メーカーだけではなく、地域にある民間の修理業者に依頼することも可能です。
民間の修理業者なら、正規メーカーよりも安い費用でメンテナンスをしてもらえます。
研磨だけを依頼した場合は、1~2万円程度で済むことが多いです。
また、納期が正規メーカーより短いというのも魅力的なポイントです。
少しでも安く、早くロレックスのメンテナンスをしてもらいたい時は、民間の修理業者に依頼するとよいでしょう。
しかし、すべての修理業者がロレックスの研磨を受け付けているわけではありません。
中にはロレックスの研磨に使われる、専用の工具や機械を備えていない業者もあるため、依頼しても断られてしまうことがあります。
また、オーバーホールも依頼した場合、純正以外のパーツを使う修理業者があるので注意してください。
純正以外の手が加わったロレックスは、正規メーカーにメンテナンスを依頼した時に断られてしまう可能性があります。
自分で研磨する
市販されている金属研磨剤と耐水ペーパーを使えば、自分で研磨することも可能です。
どのように研磨すればよいか分からない時は、動画を参考にするとよいでしょう。
動画投稿サイトには腕時計の研磨方法を解説している動画がアップされているので、それを参考にしながらやり方などを真似してみてください。
自分でメンテナンスをする大きなメリットは、業者に依頼するよりも費用が安いということです。
また、気になった時にいつでもキズを目立たなくすることができます。
しかし、研磨してキズを綺麗にするのは簡単なことではありません。特にロレックスの鏡面仕上げやヘアライン仕上げは、高い技術が必要です。
一般人が研磨すると綺麗に仕上がらず、ロレックス本来の価値を失う恐れもあります。
研磨剤を使用した時にムーブメントに悪影響を与えてしまう可能性があるため、パーツの隙間に塗り込みすぎないようにしましょう。
研磨に失敗してしまい、結局業者に高額のオーバーホールを依頼することになったり、パーツ交換が必要になったりすることがあるので注意してください。
ロレックスを研磨する際の注意点
ロレックスを研磨する時は、いくつか注意したいポイントがあります。
では、どのような点に注意が必要なのか詳しく見ていきましょう。
研磨を繰り返すとケース痩せが起きる
研磨は金属の表面を削り、キズや錆を綺麗にする作業です。
そのため、何度も研磨を繰り返すと外装がどんどんすり減ってしまいます。
これを「ケース痩せ」と呼びます。
ケース痩せが起きると、見た目が貧相になってしまいます。
ロレックスは見た目の美しさも魅力の1つなので、ケース痩せが起こり見た目が貧相になると本来の価値が失われてしまいます。
さらに、ケースが痩せることで隙間ができ、ロレックスの防水性能を低下させてしまう恐れもあるので注意が必要です。
研磨をしすぎて防水性能が落ちたロレックスは、正規メーカーでメンテナンスを断られてしまう可能性があります。
ケース痩せを避けるためには研磨は5回までに抑えたほうがよいと言われています。
キズを綺麗にしたいからといって何度も研磨を繰り返すのは逆効果になるので、研磨のしすぎには気をつけましょう。
深いキズは研磨で消えない
研磨はキズや錆を目立たなくさせる効果がありますが、深いキズや打痕を完全に消すのは難しいです。
金属の表面を浅く削るだけの作業になるため、擦りキズなど細かなキズを綺麗にするためのものと考えたほうがよいでしょう。
深いキズを研磨で消そうと思うと、かなり深く削らなければなりません。
研磨しすぎると外装の形状が変わってしまい、ロレックスの価値を損なう恐れがあります。
研磨で消せない深いキズや打痕があるロレックスは、正規メーカーにパーツ交換を依頼すれば綺麗にできます。
職人の腕によって仕上がりが異なる
研磨は削る厚さや角度などによって、仕上がりが大きく変わります。
そのため、キズを研磨で綺麗にするためには繊細な技術が必要です。
民間の修理業者に依頼した場合ですが、綺麗に仕上がるかどうかは職人の腕次第になります。
そのため、腕のよい職人がいる信頼できる店舗に依頼することが大切です。
料金の安さを理由に民間の修理業者に研磨を依頼する人もいますが、極端に料金が安い業者には注意が必要です。
腕のよい職人がいない、使用する機械の質が悪いなどの理由で、残念な仕上がりになる可能性があります。
安さだけに注目せずに、ロレックスの研磨に必要な機械や工具を備えた、規模の大きい修理業者に依頼したほうがよいでしょう。
また、一級時計修理技能士が在籍している修理業者を選ぶと安心です。
ロレックスの売却前に研磨は必要?
ロレックスの買取額は状態によっても左右されるため、売却前に研磨して綺麗な状態にしておこうと考える人もいるかもしれません。
しかし、買い取ったロレックスは、研磨やメンテナンスをしてから再度販売する買取店が多いです。
そのため、査定前に自分で研磨しておく必要はありません。
買取店にロレックスを売却する場合、普段使いでつくような小さなキズであれば、あって当然と判断され査定額にはあまり影響しません。
もちろん、事前に研磨して綺麗な状態にしておけば、査定額が多少アップする可能性はあります。
しかし、研磨を業者に依頼した場合はある程度の費用がかかってしまいます。
査定前に研磨したとしても、研磨にかけた費用以上に査定額がアップするとは限らないので、そのまま査定に出すほうが無難です。
査定前のオーバーホールも、同様の理由で不要となります。
目立つ深いキズや凹みがある場合は、買い取った後に修理してから販売する必要があるため、査定額が下がりやすいですが、こちらも事前に修理しておく必要はありません。
キズが気になるロレックスを売るときのポイント
ロレックスを売却する時は、基本的に研磨をしておく必要はありません。
しかし、キズの状態によっては査定額に影響する可能性もあると考えておきましょう。
では、キズが気になるロレックスを少しでも高く売るためにはどうすればよいのでしょうか。
ここからは、キズがあるロレックスを高く売るためのポイントを解説していきます。
オーバーホールの証明書をつける
しっかりオーバーホールをしているロレックスは、状態がよいと判断されるため査定額がアップしやすいです。
過去に日本ロレックスでオーバーホールを受けていた場合は、きちんとメンテナンスがされているということで、鑑定士に好印象を持ってもらえるでしょう。
しかし、そのためには証明するための書類が必要です。
日本ロレックスでオーバーホールを受けると、オーバーホールしたことを証明する証明書が発行されます。
オーバーホール証明書を持っている場合は、一緒に買取に出すようにしましょう。
しかし、正規メーカーでオーバーホールをすると、10万円近い費用がかかります。
オーバーホールをしてあるからといって、10万円以上査定額がアップするとは考えにくいため、査定額アップのためだけにわざわざオーバーホールを受ける必要はありません。
個人間取引は避ける
手軽に個人間取引ができる、フリマアプリやオークションサイトが人気になっています。
利用者も多く、ロレックスを出品すれば個人間で売買することは可能です。
フリマアプリやオークションサイトを利用した個人間取引であれば、自分が希望する金額で売れる可能性があります。
ロレックスを高く売りたい時に適した方法に感じるかもしれませんが、非常に手間がかかる売却方法です。
出品や商品の発送作業、購入者とのやり取りなどをすべて自分で行わなければなりません。
慣れていない人は、出品するだけでもかなりの時間がかかってしまうでしょう。
また、出品したからといって必ず売れるとは限りません。
個人間取引はトラブルにも注意が必要です。
特にキズがあるロレックスを個人間取引する場合は、購入者に状態が上手く伝わっておらず、クレームが入ったり返品されたりといったトラブルに遭う可能性があります。
また、価値があり高く売れるはずのロレックスを、相場より安く売ってしまったというケースもあるので注意しましょう。
個人間取引にも色々なメリットがありますが、トラブルに遭うのが不安な人は避けたほうが無難です。
自社で修理できる買取店に売る
買取したロレックスを、買取店がそのまま再販することは基本的にありません。
買い取った後に研磨や修理をしてから再販することになるため、そのコストに応じて査定額が上下します。
研磨や修理のコストが高くなればなるほど、査定額が下がってしまうというわけです。
買取店の中には、コストを抑えるために自社で修理できたり提携の修理店を持ったりしているところがあります。
そういった買取店であれば、外注しているところよりもメンテナンス費用を安く抑えられるため、査定額を高く設定できます。
少しでもロレックスを高く売りたいのであれば、自社メンテナンス可能な買取店に依頼しましょう。
おすすめなのは、「買取エリート」です。自社メンテナンスが可能なうえ独自の販売ルートを確保しているため、キズが気になるロレックスも高価買取が期待できます。
経験豊富な鑑定士が店舗に常駐しているのも魅力です。
キズがあるロレックスも、相場をしっかり見極め適正な価格で買い取ってもらえます。
ロレックスを売却するなら研磨は不要!
自分で行う方法や正規メーカーに依頼する方法など、ロレックスを研磨する方法は色々ありますが、売却する場合は基本的に研磨する必要はありません。
ただし、キズの状態によっては査定額に影響することもあるので注意してください。
キズが気になるロレックスを少しでも高価買取してもらいたいのであれば、自社メンテナンス可能な買取エリートを利用してみてはいかがでしょうか。