嗜好品として人気の高い腕時計ですが、その中でもロレックスは高級品の代名詞として知られています。
そんなロレックスですが、20年前の2002年あたりは2022年よりも価格が安かったのをご存知でしょうか。
当時のロレックスの買取金額がどの程度が上がったのか気になる人も多いでしょう。
そこで今回は2002年前後のロレックスが高騰した理由や価格比較、売却時の注意点などを紹介します。
ロレックスの価格は2種類ある
ロレックスは「正規販売店」もしくは「並行輸入店」のどちらかで購入する事になるのが基本です。
それぞれで販売価格が異なるため、まずは基礎知識としてこの2種類の違いについて見ていきましょう。
ロレックス正規販売店の価格
世界的なブランドであるロレックスは様々な国に正規販売店を設けています。
正規販売店とはスイスにあるロレックス本店と販売契約を結び、ロレックス社製商品を直接仕入れているショップの事です。
正規販売店はロレックスの厳正な基準をクリアした製品を取り扱っており、商品が本物であるという安心感の高さが特徴となっています。
店舗で接客を担当するスタッフはロレックスの知識が豊富であり、細かい部分まで説明を受けられるので納得のいく買い物が出来るでしょう。
充実したアフターサポートやロレックスならではの丁寧な接客も魅力です。
正規販売店は安定して本物を手に入れられる一方、原則としてロレックスが提示している定価で商品を販売しています。
店舗が独自にセールや値引きを行う事がないので留意しておきましょう。
逆に言えば全国どこの正規販売店で購入しても定価となるので、地域による価格差がありません。
また、ロレックスを定価販売している店舗には正規代理店も挙げられます。
正規販売店との違いはロレックス本店と店舗の契約内容です。
消費者が商品購入時に支払う代金や受けられるサポートについて大きな差はありません。
並行輸入店の価格
並行輸入店では海外で販売しているロレックス製品を店舗が独自に輸入し、それらを日本国内の消費者に販売しています。
正規店ではないからと言って偽物や違法な商品を扱っている訳ではないので安心しましょう。
本店や代理店を介さない販売ルートとなっているため、消費者は定価から値引きされた販売価格で購入する事が可能です。
セールやキャンペーンも店舗の意向次第で開催出来ます。
その一方でプレミアが付いた商品に関しては定価以上の値が付いている場合があるので注意しましょう。
並行輸入店は中古品の買付け・買取を行っているショップもあります。
正規販売店では取り扱いが終了しているような商品が見つかる場合があるので、選択肢の幅が広がるという点もメリットであると言えるでしょう。
商品やブランドである程度相場は決まっているものの、並行輸入店の販売価格はそれぞれの店舗が決めています。
したがって、お得にロレックスを購入するためには各ショップを比較する必要があるでしょう。
買付けに関してもショップスタッフが行っている場合が多いので、商品の質もショップによってまちまちです。
中にはキズや汚れが付いていたり、部品が緩んでいたりするものもあります。
ネットの口コミや店舗スタッフの知識量・接客などを優良店であるかどうか見極める判断材料にしてみてください。
【モデル別】20年前と現在のロレックスの価格を比較!
ロレックス製品は価格変動が大きい事でも知られており、2002年から2022年までの20年間でも高騰した型番は多いです。
ここでは代表的なステンレスモデルを例に、20年前と2022年時点での価格を比較検証していきます。
コスモグラフ デイトナ
ロレックスの人気を象徴すると言っても過言ではない代表モデルが、コスモグラフデイトナです。
単に「デイトナ」と呼ばれる事も多いこのモデルは、1963年にレーサーからの要望に応える形でリリースされました。
モデル名はアメリカにある「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」に由来しています。
ロレックス製品の中で唯一ストップウォッチ機能(クロノグラフ)が搭載されているモデルとなっているなど、随所にスポーツモデルならではのこだわりが垣間見える仕上がりです。
デザイン・機能性のどちらを取っても隙のないロレックスのフラッグシップモデルと言えるでしょう。
デイトナはその人気から価格が高騰しやすいモデルとしても知られています。
例えば第2世代としてリリースされた「Ref.116520」は2003年当時定価80万8500円でしたが、後継モデルのRef.116500LNは2022年1月時点で定価160万9300円となっていました。
品薄状態が続き定価での購入が難しく、並行輸入店では旧型のRef.116520でも一時的に販売価格が600万円近くまで上がっていたのです。
サブマリーナーデイト
サブマリーナーデイトは1953年に発表された世界で初めてのダイバーズウォッチであり、マリンスポーツを強く意識した仕様が人気を博しました。
特徴的なのはその防水性の高さであり、水深100mまで使用可能という仕様になっています。
スタイリッシュなデザインはもちろんの事、当時飛躍的に防水技術を進歩させた点においても評価が高いモデルです。
2022年時点では水深300mまで対応可能なモデルもリリースされています。
サブマリーナーデイトにもいくつかのバリエーションが存在しますが、文字盤にカレンダーをあしらったデイトモデルは特に人気が高いです。
サブマリーナーデイトの第4世代となる「Ref.16610」は1988年に登場し、2003年時点での定価は51万2400円でした。
その後継機となる「Ref.116500LN」は2022年1月に定価160万9300円をマークしています。
サブマリーナーデイトはデイトナに次ぐ人気モデルとなっているため、正規販売店での購入が難しいです。
並行輸入店であれば比較的入手しやすいものの、Ref.16610の販売価格が2022年に300万円を超えています。
エクスプローラー
ロレックスのエクスプローラーシリーズは登山愛好家や洞窟探検家をターゲットにしたモデルです。
寒冷地帯のような極限環境にも対応する高い耐久性と視認性の良さが最大の特徴となっています。
1953年発売のエクスプローラー1はシンプルなデザインながらも、黒い文字盤に映える「3・6・9」の3つの数字が印象的です。
視認性を確保しつつもムダをそぎ落とすために、ケースサイズが36mmと小さめに設計されていました。
国内でエクスプローラーの人気に火が付いたのは1990年代後半の事で、テレビドラマに出演していた人気俳優が着用していたためと言われています。
2001年から2010年まで製造が続いた「Ref.114270」は、2003年当時の定価が43万8900円でした。
その後継機であるRef.124270は2022年1月の段階で定価79万3100円に高騰します。
並行輸入店での相場は定価より安い傾向にありますが、それでも約75万円で取引される場合が多いです。
GMTマスターⅡ
1950年代は航空技術が大きく進歩した時期であり、ロレックスでもパイロット向けの製品として1955年に「GMTマスター」と呼ばれるモデルをリリースしていました。
細かいモデルチェンジを重ねていたGMTマスターは、1982年に「GMTマスターⅡ」として大きな進化を遂げる事となります。
それまでのGMTマスターはベゼルと24時間針によって2ヶ国の時間を表示する事が可能でしたが、GMTマスターⅡではさらに独立した短針を組み合わせて最大3ヶ国の時間を瞬時に確認出来るようになりました。
高い機能性に加えて空の旅を彩る華やかなカラーリングが徐々に人気を集め、数あるロレックスの中でも人気のラインナップとして定着したモデルです。
デイトジャスト
デイトジャストは1945年発売という古い歴史を持つモデルであり、ロレックスの歩みを語る上でを重要な意味を持ちます。
ゴールド素材を使用したフルーテッドベゼルは、ロレックスならではのゴージャス感を演出するパーツです。
文字盤3時の位置には日付を表示する小窓が設けられており、普段使いの利便性と洗練されたデザインを両立させています。
基本的な仕様を踏襲しつつ多数のバリエーションを展開している点も魅力です。
幅広く支持を得たデイトジャストは、一目でロレックスと分かる典型的なモデルとして認知されています。
デイトジャストシリーズの「Ref.16220」は2003年時点で定価43万500円でした。
その後継機種「Ref.126200オリーブグリーン文字盤」は2022年1月に定価80万4100円が付けられました。
デイトジャストについては、並行輸入店で極端に価格高騰して定価以上の値が付く事があまりありません。
ロレックス製品は大きく分けて「スポーツモデル」と「ドレスモデル」の2種類にカテゴライズされますが、定価以上の価格で取引されるのは基本的にスポーツモデルです。
上記4つのモデルはすべてスポーツモデルですが、デイトジャストはドレスモデルに分類されます。
ロレックスの価格が上がる理由とは?
20年前と比べて倍近くの価格になる事も珍しくないロレックスですが、何故そのような現象が起きるのか気になる人も多いでしょう。
ロレックス製品高騰の背景には、主に次のような理由が挙げられます。
定価が値上がりしている
ロレックス製品の価格高騰は、そもそもの定価が上昇傾向にあるという事が大きな理由の1つとして挙げられます。
ロレックスには希少性の高い部品や高品質な原材料が用いられているため、針やインデックスに使う金といった材料費の変動が定価に及ぼす影響は小さくありません。
その他にも製造コストや人件費などを加味した上で、ロレックスでは定期的に定価の見直しを行っているのです。
特に2019年以降は新型コロナウイルスの影響も相まって、ロレックスはほぼ毎年値上げに踏み切っています。
並行輸入店の販売価格設定は基本的にロレックス公式の定価を基準としているため、定価が値上がりすれば中古品も含めてモデルやブランド全体が値上がりするのです。
生産量が少ない
ロレックスは世界的に人気が高い時計ブランドですが、機械生産ではなく、一つひとつ職人の手作業で製造する事にこだわりを持っています。
デザイン・設計・組み込みなど各工程にスペシャリストを抱えるロレックスは、納得のいく品質を実現するために手間隙を惜しみません。
さらに厳正な検査基準を設けて万全の体制でチェックを行っています。
ハンドメイド製造以外のテスト作業にも時間がかけられているため、生産量には限界があるのです。
2020年に新型コロナウイルスが流行すると製造が滞ったり海外取引が制限されたりと大きな影響を受け、さらに生産量が減少しました。
ロレックスの魅力に惹かれた多くの購入希望者に対して十分な生産量ではないため、希少価値が高まり価格が高騰していく傾向があります。
需要が増加している
ロレックスは世界中で愛されるブランドとして認知されており、愛好家も数知れません。
モルガン・スタンレーの調査によると、ロレックス社が2021年の腕時計市場で占める割合は約30%にも上ります。
シェア2位のオメガ社のシェア率が約7%である事を鑑みると、その需要の高さが伺い知れると言えるでしょう。
経済成長中のインドや中国においては高級時計を所有する事が資産的なステータスとしてブームになっており、ロレックスの需要が高まっています。
そういったブームが起きている国々への流通量が増えているため、日本国内のロレックスは流通量が減少傾向です。
日本国内では価格の高騰とリセールバリューが注目を集め、投資目的で購入する人が増えています。
こうした需要の高まりによってロレックスは価格が高くても売れる状態が続いており、価格高騰の流れが止まらないのです。
古いロレックスでも買取は可能?
ロレックスは並行輸入店や質屋などで買取が行われていますが、それは新しいモデルに限った事ではありません。
ロレックス愛好家の中には20年前のような古いモデルが好きでコレクションしているという人も多いです。
ショップ側としてもそうしたニーズに応えるため、ロレックスに関しては古いモデルでも積極的に買取っています。
中古市場の相場も高騰しているため、ショップがコストをかけて修理・販売しても利益が出るのです。
また、ロレックス純正の部品は修理を請け負う業者や愛好家からの需要があります。
部品だけでも価値があるので手持ちのロレックスが壊れていたとしても買取ってもらえる可能性は高いでしょう。
一部の古いモデルはアンティーク品としての価値があり、数十年前のロレックスが高価で取引される事も珍しくありません。
20年前のロレックスを売却するときの注意点
ロレックスはただでさえ高価で買い取られているブランドですが、売却時の利益を最大化するためにはいくつか注意しておきたいポイントがあります。
以下では古いロレックスを売却する際の注意点を見ておきましょう。
ボロボロでも修理をする必要はない
20年前のロレックスともなると、部分的に故障していたり部品が破損していたりする事もあるでしょう。
しかし、査定に出すからといって事前に修理する必要はありません。
確かに修理して状態を良くした上で査定に出せば、買取金額は上がるでしょう。
ただしロレックスの修理は素人では難しいため、基本的には専門業者に依頼する事になります。
修理によってアップした買取金額の幅よりも修理費が上回ってしまえば、結果的に査定前に修理した事で損をしてしまうのです。
モデルや時計の状態にもよりますが、時計のオーバーホールは一般的に3万~10万円程度が相場とされています。
高く売れるタイミングを狙う
中古品の買取価格は時期によって変動するため、高く売れるタイミングを見極める事が大切です。
特にロレックスは常に価格が流動しているため、売却時期は慎重に選びたいところです。
例えばロレックスは輸入であるため、円安が進行しているタイミングでは市場価格が高騰します。
市場価格と買取金額は連動しているため、円安時はロレックスを高価で売却出来る可能性が高いです。
ロレックスから新しいモデルが発表・リリースされたタイミングも売却に適しているとされています。
新作が発表されると既存モデルが生産終了となり、それ以後入手しにくくなるという流れが一般的です。
ロレックスの廃盤モデルは価格が高騰する傾向にあるため、人気モデルの後継機種が発表された場合は手持ちの既存モデルの売却を検討するのも良いでしょう。
また、中古市場の価格は世間的な需要の多さにも左右されています。
ロレックスに関して言えば社会人のボーナスが出て経済的に余裕が出来るタイミングや、就職時の贈り物として需要が高まる春先あたりが狙い目です。
古いロレックスの買取が得意な買取店を選ぶ
ロレックスは時計愛好家ではない人でも名前を知っているほど認知されているブランドですが、すべての人がその価値を理解している訳ではありません。
それは買取を行っている業者についても同様であり、ショップによっては古いロレックスを単に「状態の悪いブランド品」として査定しているケースがあります。
買取価格が低いばかりか、場合によっては買い取ってもらえないという事もあるでしょう。
古いロレックスを売却するのであれば、ロレックスに精通しているのはもちろん古いロレックスについても積極的に買い取っているショップを選ぶ事が重要です。
例えば「買取エリート」では専門知識を持った鑑定士が査定を担当するだけでなく、買い取った商品のメンテナンスを自社で賄う事で修理コストの削減に成功しています。
古いロレックスでも高価買取が可能となっているため、売却先の候補としておすすめです。
また、LINEで画像を送信するだけで簡易的な事前査定を行ってくれるので、店舗に足を運ぶのが難しい場合でも手軽に買取金額を調べる事が出来ます。
値上がりが続くロレックス!古いモデルも諦めず査定に出そう
ロレックスの需要は右肩上がりの状態が続いており、今後も価格が上昇していくと予想されています。
数十年前のモデルでも売却可能である可能性は高いです。
実は人気モデルであったり年式の割に状態が良かったりすれば、思わぬ高値で買い取ってもらえる事もあるでしょう。
古いからと諦めてしまわず、積極的に買取を行っているショップを探してみましょう。
古いロレックスの査定を得意とする買取エリートはおすすめの選択肢です。