ロレックスは世界三大時計メーカーであり、資産価値が高い時計の1つに数えられています。
そのため、中古品であっても定価より高い査定額がつくこともあります。
しかし、モデルごとに価格の推移が異なるほか、売却時期によって買取価格に大きな違いが出ることもあります。
ここでは、ロレックスのモデルごとの買取相場の推移や今後の買取市場の動向について予想していきます。
ロレックスの買取相場が変動する要因とは
ロレックスの買取相場が変動するのには、いくつかの要因があげられます。
ここでは、買取相場が変動する主要な要因をご紹介するとともに、それぞれの要因について解説します。
需要の大きさ
ロレックスの買取相場が変動するのは、需要の大きさが要因の1つに数えられます。
ロレックスには定番の人気モデルがあり、それらの多くは需要過多となっています。
人気の高いモデルは正規取扱店の店頭に並ぶことはほとんどなく、入荷待ちという状態です。
特にスポーツモデルの新作は手に入らない状態となっており、一般客が正規取扱店で入手するのは至難の業です。
正規取扱店で購入できなかった一般客は中古市場に流れていきますが、人気モデルは入荷するとすぐに売り切れてしまうため、中古市場でも需要過多が続いています。
このように品薄状態が続いているのは、ロレックスの製造量がもともと少ないことに起因しています。
ロレックスは職人の手作業で製品が作られているため、大量生産をすることができません。
正規取扱店に納品される数量も少ないため、需要と供給のバランスが取れていないのです。
為替の変動
ロレックスは輸入品であるため、為替の変動も買取相場に影響を与える大きな要因になります。
為替レートは日々変動しており、円高の時と円安の時では買取相場が大きく異なります。
円高の時は輸入品の国内価格が下がるため買取価格も連動して低くなりますが、円安の時は輸入品の国内価格が上がるため買取価格も連動して高くなります。
特に、並行輸入店は為替の影響により価格が変動しやすくなります。
ロレックスを売却するなら、為替レートが円安の時を狙うのが得策といえるでしょう。
その他の要因
買取相場が変動するその他の要因として、特定のモデルが流行することがあげられます。
映画やドラマでセレブや芸能人が着用すると、そのモデルの人気が急激に上がることがあります。
そうすると、在庫が足りず需要過多となってしまい価格が上昇するのです。
また、新作モデルが発表された直後は、旧型モデルの価格が高くなることもあります。
旧型モデルの価値が高くなると踏み、駆け込みで購入する人が増加するからです。
同様の原理で、生産終了が決まったモデルも、プレミア価格がつくと見込み購入する人が増えるため、価格が高くなる傾向があります。
ロレックスの買取相場の推移は?シリーズごとにチェック!
ロレックスの買取相場の推移は、シリーズによっても異なります。
ここでは、ロレックスの代表的な9つのシリーズの買取相場の推移をご紹介します。
デイトナ
デイトナはロレックスの王様と呼ばれている、機能性・デザイン性に優れたスポーツモデルです。
ロレックスのなかでも生産数が少ないモデルで、正規販売店では入手困難の状況が続いています。
また、デイトナは防水機能付きのレース用クロノグラフを搭載する世界初のモデルであったり、製造期間が数年ほどのレアモデルが存在したりと、ロマンを感じられる背景を持つことも需要を高めています。
そのため、慢性的な需要過多となっており、高額で取引されているモデルです。
2022年1月にロレックスの定価が一斉に値上げされたため、買取価格もそれに伴い高騰しました。
また、生産終了が近いという噂が常に囁かれており、廃盤になる前に購入しておきたいという人が増えたのも、買取価格の高騰に拍車をかけたようです。
ただし、買取価格が高騰しすぎたため、その反動で価格相場が一時下落しました。
2022年の新作発表後からじわじわと価格の上昇を続けていますが、価格高騰のピークよりも落ち着いた価格で推移しています。
サブマリーナ デイト
サブマリーナデイトは水深300メートルまで耐久可能なダイバーズウォッチで、スポーツモデルでありながらも洗練されたデザインで高い人気を誇ります。
需要と供給のバランスが比較的安定しているため、買取価格も大きな変動はありません。
ただし、2021年1月のロレックスの定価値上げの影響で一時的に価格が高騰しましたが、すぐに元の水準に戻っています。
2022年の新作発表でも、大きく買取価格が上昇することはありませんでした。
2022年6月の時点では、値上げ前の買取相場よりも少し高い価格帯で落ち着いています。
しかし、サブマリーナデイトはモデルによって価格推移は異なり、「126610LV」、「126610LN」、「126613LB」、「126613LN」などの価格は上昇が続いています。
特に「16610LV」はグリーンサブと呼ばれ人気が高く、買取市場においても品薄状態となっています。
通常仕様のモデルであっても、需要が高いため高値で取引されており、価格の上昇も続いています。
エクスプローラー
エクスプローラーは実用性を重視したシンプルなデザインが特徴で、ビジネス・カジュアルとどんなシーンにもマッチすると幅広い世代に支持されているシリーズです。
2021年4月に新作がリリースされる前から旧型モデルの生産終了が予想されていたため、2021年初頭から徐々に買取価格は上昇を続け、2月に高騰のピークに達しました。
その後、反動で価格は一時的に下落したものの、2022年4月以降は右肩上がりで価格の上昇が続いています。
新作モデルも高値で安定しており、しばらくは急激に価格が変動することはないでしょう。
「14270」のブラックアウトと呼ばれる特殊仕様モデルや「1016」のトロピカルブラウンダイアルと呼ばれるレア個体は、エクスプローラーの中でも希少価値が高く、他のモデルよりも高額で取引されています。
エクスプローラー2
エクスプローラー2は、エクスプローラーから派生した上位モデルです。
エクスプローラーが探検家のために作られたモデルであるのに対し、エクスプローラー2は洞窟探検家のために作られたモデルとなっており、スペックにこだわった機能性の高さが特徴です。
エクスプローラー2は旧型モデル・新作モデルともに高い支持を得ており、買取市場では常に高額で取引されています。
もともと買取価格は上昇を続けていましたが、2022年のロレックスの定価値上げによりさらに高騰しました。
その後は反動から高騰のピーク時よりも下降し、2022年6月の時点では安定した価格推移となっています。
モデルごとの買取価格の推移としては、「226570」に大きな価格変動はなくほぼ横ばい状態です。
人気モデルの「216570」と「16570」は一時的に価格が下がることはありますが、しばらくすると持ち直すため総体的には上昇傾向にあります。
GMTマスター2
GMTマスター2は国際線パイロット向けに開発されたGMTマスターの上位モデルであり、3ヵ国のタイムゾーンを表示できる実用性が支持されています。
特に、午前と午後が一目でわかるように配色されたツートンカラーのベゼルのモデルは、買取価格が上昇しています。
定価越えの買取価格がつくことも多く、高額査定が期待できるでしょう。また、ツートンカラーの色によってペットネームがつけられており、赤×青のベゼルは「ペプシ」、赤×黒のベゼルは「コーク」、黒×青のベゼルは「バットマン」などと呼ばれ人気です。
特に、赤×青ベゼルのペプシは2020年5月頃から買取価格が上昇し始め、2021年の新作発表に近づくにつれ価格が急騰しました。
2021年1月のロレックスの定価値上げも買取価格の上昇を後押ししましたが、2022年に入ると価格は少し落ち着いています。
とはいえ、買取価格は高い水準をキープしており、2022年6月の時点では夏に向けて緩やかな上昇がみられます。
シードゥエラー
シードゥエラーはサブマリーナの上位モデルで、初代の「1665」でも耐水気圧610メートル、2世代目の「16660」は耐水気圧1220メートルと高い防水性を誇ります。
ダイバーズウォッチを極めた機能を持ちますが、厚みがありケースも大きいため他のモデルと比較すると少し評価が低い傾向があります。
風格のある時計を身につけたい人に好まれますが、人によって好みが分かれるモデルです。
ロレックスの人気シリーズにしては比較的需要と供給のバランスが取れているため、他のシリーズのように大きく価格変動をすることはありません。
シードゥエラーシリーズの中でも人気の高い「126600」や「126660」は、2017年頃から2022年6月の時点までで買取価格の推移はほぼ横ばいとなっています。
2021年1月のロレックスの定価値上げでも、ほとんど変動していません。
しかし、2022年の新型のシードゥエラー ディープシー「136660」の発表に伴い、生産が終了したシードゥエラーのモデルが価格上昇するのではと注目されています。
ヨットマスター
ヨットマスターはロレックスのスポーツラインではありますが、ラグジュアリーをコンセプトとしており機能的な中にも高級感があり人気です。
発売当初は金無垢素材しか製造しておらず、オールステンレス素材は使用しないという高級志向のシリーズです。
しかし、買取市場において定価越えが当たり前のロレックスの中では定価と買取価格の開きが少ないシリーズで、安定した価格推移となっています。
ただし、2021年のロレックスの定価値上げの影響を受け、買取価格は全体的に底上げされました。
また、モデルによって買取価格の価格推移が異なり、「126622」や「126621」、「116680」は価格が上昇しているモデルです。2021年~2022年までの期間に20万円ほど値を上げており、2022年6月時点でも右肩上がりで推移しています。
そのほかにも、生産終了となった「116622 」や「16622」は、2020年以降じわじわと価格が上昇し、2021年以降は価格が高騰しています。
ミルガウス
ミルガウスは1000ガウスの耐磁性能を備えたシリーズで、欧州原子核研究機構と協同で開発されました。
シンプルな文字盤と洗練されたデザインが特徴的で、プロフェッショナルに愛好されています。
しかし、発売当初の1950年代は耐磁性能の有効性が一般的に浸透せず、1980年代後半に生産中止になりました。
その後、電子機器の発達で耐磁性能が求められるようになり、2007年に復活しました。
ミルガウスシリーズに高価なプレミア価格はついておらず、買取価格も定価より若干高めの金額で推移しています。
ただし、生産終了が噂されているため、復活前の旧モデルの価格が2019年頃から上昇し始め、2022年6月時点では右肩上がりで推移しています。
そのほか、2014年に発表された新色Zブルーは人気が高く、他よりも高値で取引されています。
エアキング
エアキングはロレックスの中でも比較的リーズナブルであるため、エントリーモデルとして人気があります。
シンプルなデザインで、どんなシーンにもマッチする定番モデルとなります。また、エアキングという名はペットネームで、正式名はオイスターパーペチュアルです。
エアキングは他の人気シリーズのようにプレミア価格はついていませんが、ロレックス全体の買取相場が上がっているため、それに連動する形で価格が上昇しています。
中でも、「116900」は生産終了が噂されているため、廃盤が決まれば価格が高騰することも考えられます。
また、新作が発表されることがあれば、旧型モデルへの関心が高まり価格が上昇する可能性もあります。
高く買い取ってもらえるロレックスとは?
ロレックスは投資目的で購入されることも多く、どうすれば高額買取になるのか気になっている人もいるでしょう。
ここでは、高額で買取ってもらえるロレックスの条件について詳しくご紹介します。
人気のモデルやデザイン
ロレックスを高く買取ってもらう条件としては、人気のモデルやデザインであることがあげられます。
ロレックスは人気の高いモデルが多いですが、デイトナやサブマリーナ、エクスプローラーなどに代表されるスポーツモデルに高値がつきやすい傾向があります。
また、それぞれのモデルにおいても、カラーや素材によって人気の度合いが異なり、需要が高いものほど高額で買取られる可能性が高くなります。
そして、有名人が着用していたモデルは、人気が出て価格が高騰することがあります。
しかし、そのような高騰は一過性のものなので、ブームが終わると価格が下落して元の水準に戻ることがほとんどです。
有名人が着用して高騰したモデルは、ブームが去り価格が下降する前に売り切ってしまうのが賢明です。
希少価値のあるレアモデル
希少価値のあるレアモデルであることも、高く買取ってもらうための条件です。
ロレックスのシリーズには、それぞれレアモデルや特殊仕様モデルがあります。
このようなモデルは生産数が少なく入手しにくいため、希少価値が高くプレミア価格がつくことがあるのです。
ロレックスのプレミアモデルとして3本の指に入るデイトナの「116500LN」は、買取市場において高額で取引されています。
黒文字盤と白文字盤があり定価は同額ですが、白文字盤の方が高く取引されており、黒文字盤との買取価格に100万円近くの差をつけています。
また、サブマリーナデイトでは、グリーンサブと呼ばれる「126610LV」が人気です。
定価を2倍以上上回る価格で取引されることもあり、価格の高騰は続いています。
そのほかにも、エクスプローラー「214270」やGMTマスター「126710BLRO」なども、買取価格が定価の2倍以上になることもあるレアモデルです。
状態が良いもの
高く買取ってもらう条件として、状態が良好であることも求められます。
基本的には新作モデルで新品に近いほど高額買取の可能性が高くなります。しかし、1970年代以前のモデルはアンティーク品として付加価値がつき、価格が上がることもあります。
使わずに放置していた年代物のロレックスが、想像以上の高値をはじき出すこともあります。
キズや汚れなど状態が悪いものは査定で減額対象となるため買取価格が安くなり、キズや使用感、故障がないものほど高額で買取られる傾向があります。
今後はどうなる?ロレックスの買取相場予想!
今後のロレックスの買取相場は、緩やかではあるものの上昇が続くことが予想されます。
その理由としては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響があげられます。コロナ禍では世界規模で輸出入が制限されるなど貿易が縮小されたため、需要が高いにもかかわらず流通量が少なくなりました。
また、外出禁止令やソーシャルディスタンスを守るためにロレックスの工場が閉鎖されたり、就業人数が制限されたりしたため、時計の生産量自体も少なくなりました。
そのため需要過多に拍車がかかり、まだまだ解消される見込みはないため、相場価格の上昇は止まらないでしょう。
そして、価格改定によりロレックスの定価が上がっているのも、ロレックスの買取相場が上昇を続ける理由にあげられます。
原材料も高騰を続けており、買取相場が下がる要因がありません。
このように、買取市場においては売り手に有利な状況がしばらく続くと思われるため、ロレックスを売却する絶好のチャンスといえるでしょう。
ロレックスは需要が高く高値買取を期待できる!
ロレックスは買取市場において高い需要をキープしており、高額査定が期待できます。
特に、人気モデルや状態の良い品である場合は、定価の2倍ほどの買取価格がつくこともあります。
所有しているロレックスの価値を知りたい場合は、買取店で査定してもらうと良いでしょう。
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